公演案内
命短シ、恋セヨ乙女。
(第47回公演)
作・演出 川村武郎
出演 林美応 堀栄美菜 高矢千沙乃 福西葵(劇団ケッペキ)
川村武郎
日時 11月3日(金) 18時 4日(土) 13時・18時 5日(日) 13時
会場 THEATRE E9 KYOTO

この作品は、実は完全な新作ではありません。
大昔、2009年に「命短し、恋せよ乙女」(第22回公演)というのをやっておりまして、これを全面的に改訂、リメイクしたものです。
この作品には思い入れがありまして、かなり気に入った作品だったのですが、諸事情により、映像などの記録が全く残っておりません。そのこともあって、一度再演したいと思っていたのです。
そのまま再演するという手もあったのですが、脚本を読み直してみると、テーマや内容が現代社会に非常にマッチしており、それ故に、更に改良したらもっとおもしろくなるだろうと判断して、設定はそのままに、内容を見直すことにしました。
内容は、ざっくり言うと近未来の話です。いわゆるバーチャル・リアリティに関連した設定になっています。当時、2007年頃からメタバースの前身であった「セカンドライフ」というのが世界的に話題になってまして、それに触発されて書いたような気がします。(曖昧な記憶ですが)その近未来の世界を、全然SFっぽくないリアルなタッチの話として作ってみよう、というのがコンセプトでした。
だから、ごく普通の空間に、ごく普通の人々が登場して、ごく普通の会話をします。でも、見ているうちに「あれ? 何か変だな?」と思っていただく、という、そういう仕掛けです。
最近のかんから館の芝居は、作者の年齢が影響してか、「死」を扱った作品が多いのですが、当時はまだそんなにリアルに考えるような年齢にではなかったはずなのですが、ここでもやっぱり「死」が扱われています。そして、それは同時にその裏返しとして「生きる」ことについて考える作品にもなっています。
あと、もう1つ、特徴としては、かんから館の作品としては珍しく、ギャグ、笑いの要素がほとんどありません。そういう意味ではすこぶる地味な作品でありまして、「お客さん呼びにくいなあ」とは思っているのですが、芝居が好きな方には十分楽しんでいただけるとは自負しています。いや、芝居に慣れていない人でも結構おもしろいんじゃないかな?
ということで、請うご期待。